急性腰痛症(ぎっくり腰)

  ぎっくり腰

 姿勢や急な動作で突如発生し、軽い痛みを出すものから、激痛を出すものまで認められます。このページを見ているということは“やってしまっている”可能性が高いのでまずは対処法から説明していきます。

 <ぎっくり腰の対処法>

 軽いものであれば筋肉や筋肉をつつむ筋膜の損傷や炎症になります。なので、市販の湿布があれば貼り、痛みのコントロールに努めます。湿布は冷湿布の方が使いやすいと思います。安静にしても痛みがあるうちはお風呂やお酒など血流がよくなるものは控えてください。急性期は血流がよくなると、痛みが強くなります。また、うつ伏せ、仰向けは背中の筋肉が縮む方向に力が働きますので、そのような姿勢では痛みがさらに強く出ます。痛い方があればそちらを上にして横向き(腰の筋肉が緩んだ状態)での安静を心がけてください。コルセットも筋肉の補助をしてくれますので有効な手段です。しかし、体を一周するものは筋力低下を助長しますので、就寝時は必ず外すようにしてください。原則お医者様や整骨院、鍼灸院など専門家に診てもらいましょう。

 


 【強い痛みで、注意が必要なもの】

腰椎圧迫骨折

 ぎっくり腰と同じ発生機序で起こり得ます。ここに該当するのは主に骨粗鬆症の方や、高齢の方、ステロイドを服用されている方です。骨は代謝しているため再生と破壊を繰り返しています。ステロイドはこの骨をつくる細胞の働きを抑え込んでしまいます。

腰椎椎間板ヘルニア

 腰痛から始まり徐々に足のしびれや痛みなど下肢に症状が出てきます。急性期には下肢症状に乏しいこともあり、すぐには除外できません。100%ではないですが、基準として前かがみで痛みが強くなったり、SLRテスト(仰向けで膝を伸ばしたまま片脚を挙げ太ももの裏から腰にかけて痛みがでるかどうか)で判断します。

 ・脊椎炎

 ぎっくり腰と同じ機序で発症します。激しい腰痛、発熱や炎症反応が特徴です。中には腹痛や疲労感や食欲不振などの症状を出すものもあるため注意が必要です。こちらの疾患は整形外科などの医療機関で治療を行います。

急性硬膜外血種

 腰背部の激痛とそれにつずくマヒ症状で発症。原因不明のものと、高血圧や出血傾向、動脈、静脈の奇形などが原因となります。こちらも整形外科等の医療機関で治療を行います。

 

<どのようなことに注意すればいいでしょうか?>

・脊椎の叩打痛(骨折を疑う)

・排泄のコントロールができない(脊髄の圧迫を疑う)

・1か月以上たっても改善しない痛み

・癌にかかったことがあるかどうか

・発熱や悪寒(内科的疾患を疑う)          など

 ぎっくり腰もかなり痛いですが、普通の痛みではない、なんかおかしいと感じたら念のためきちんと検査を受けることをお勧めします。


 【当院での治療の流れ

 上記の注意するサインがなければ問診に移ります。痛めたきっかけ、時期、既往、仕事内容など少し詳しく聞いていきます。次に動ける範囲で動作確認をし、背中の関節を痛めているのか、筋肉を傷めているのか、筋肉であればどの筋肉が痛いのかを絞ります。エコーで状態を確認して、患者様に説明したのち施術へ入ります。

 【保険施術】

 ぎっくり腰は急性の症状なので健康保険が使えます。急性期では主に腰をかばって二次的に出てくる背中の張りや太ももの筋肉の緊張緩和を図ります。急性期に損傷している筋肉に対して手技療法のマッサージなど行うとかえって痛みを増悪させ、治るまでの期間を長引かせます。テーピングや湿布で先に炎症症状を引かせ、後に運動療法で動きの改善と今後の予防に努めます。通常のぎっくり腰であれば痛み自体は2週間程度で落ち着いてきます。もちろん無理をすれば長引きます。

 

 【鍼治療(自費)】

 仕事に行かないといけない、行事に参加しないといけない、など早く痛みを引かせたい場合はこちらをお勧めします。鍼は痛みをコントロールするのに優れており、本来もっている自己修復力を高めてくれます。ぎっくり腰であれば3回~5回くらいが目安です。1回で痛みがグッと楽になる方もいらっしゃいますが、それは痛みをコントロールしているだけで治っているわけではありません(体の治そうとする力は高まっています)。自己判断でやめてしまうと再発のリスクがあります。

 【予防について】

 痛みが取れたあとどうするか、ということになります。多くの方は腹筋、背筋のバランスや筋力強化が主になります。もちろん、アスリートみたいに筋トレするとまた痛めますので腰に負担をかけない方法で行っていただきます。通院中に予防法はお伝えしますが、自宅でできない方は定期的なメンテナンス(月1程度)はしていく方がいいでしょう。

 

  メールでのお問い合わせはこちらから。問い合わせのみもOKです。

    吉岡鍼灸整骨院 JR「鳳駅」より徒歩8分

      TEL:072-360-4399072-360-4399