足関節捻挫

超音波エコーで靭帯の損傷が分かります。

 スポーツのみならず、日常生活でも道でつまずく、階段を踏み外す、などして足を捻ることがあります。捻挫と聞くと大したことない…というのが多くの方のイメージではないでしょうか?

 

理にかなった手当をしないとしないと捻挫が再発しやすくなるだけでなく痛みが残る場合があります

 【特に初めて起こした捻挫をあなどってはいけません

 まず、捻挫には内返しと言い内側に捻って痛めるケースが多いです。この時に痛めやすい靭帯は主に4つ。

  1. 前距腓靭帯
  2. 後距腓靭帯
  3. 踵腓靭帯
  4. 二分靭帯

さらに、靭帯の損傷の程度も

  1. 伸ばされただけ
  2. 部分的に損傷(断裂している)
  3. 完全に断裂している

と、簡単に分けてもこれだけの分類があり、どれに当てはまるのかを明確にしなければなりません。

靭帯損傷の徒手検査とエコーの有用性

 靭帯はそもそも関節がある一定以上動かないように止めておくものです。靭帯がきちんと機能しているかどうかを見る方法として動揺性(不安定でないかどうか)をしらべる徒手検査があります。しかし、動揺性を調べるということは一定のストレスをかけ動きを確認するということです。ケガをした直後、このような検査をすればかえって損傷の程度を広げてしまいます。レントゲンでも骨折は分かっても靭帯の損傷の程度までは分かりません(ストレスをかけて撮影することで足首の動く幅の距離から損傷があるということは判断可能)。お医者さんが捻挫と判断するときはけがをしたきっかけ(問診、触診、視診)とレントゲンで骨折がないかどうかを確認し、かつ、足関節にストレスをかけて撮影し靭帯の損傷の有無を診ます。しかし、一般の整骨院では問診、触診、視診のみでの判断になります。そう考えると一般の整骨院で捻挫を判断するには材料(根拠)が十分ではありません。エコーでは靭帯の損傷を抽出し、新鮮例(ケガをしてすぐ)であれば炎症反応も確認できます。また、内側に捻る力が強いと骨折を起こすこともありますが、骨表面の骨折もエコーで抽出できます。

 

 【内返しの捻挫での主な症状】

 ・疼痛

 ・腫脹 

 ・皮下出血…これがあると靭帯損傷を強く疑います。外側の靭帯は関節包に接していて断裂時には関節包も損傷し出血を伴うため。

 ・関節不安定性

 【治療法の選択】

 <保存療法>

<テーピング療法>

 非伸縮性のテープで内返し(ケガした時と同じ向き)にならないように制限し、回復の程度を見ながら足首の運動を行い再発の防止に努めます。重症の場合は4週程度の固定が必要になります(テープですので衛生面を保てるよう付け替えは行います)。足首の運動は底背屈運動(足首で踏み込んだり反らしたりする動作)を積極的に行い、外返しに使う筋肉を強化させ再発を予防します。※自己判断で行わないでください。

 

【足関節捻挫での注意点】

・不安定性が著しいにも関わらず内出血が少なく症状が軽度な場合は以前捻挫を起こし時間が経過したものの再受傷であることが多い。もともとあった不安定性はギプスで固定しても残ることがあります。

・足関節外側靭帯損傷(主に上記の靭帯)では、内返しすれば断裂部が広がるため靭帯が緩い状態で治ってしまいます。このことから治療中には内返しの予防をすることがとても大切です。しかし、歩行程度の足首の動きであれば断裂部はほとんど開大しないため、痛みがなくなれば荷重歩行を行っても大丈夫です。

 

 <固有感覚機能訓練>

 靭帯や関節包には固有感覚受容体があり、関節の動きや位置を脳に伝えて反射的に姿勢を制御しています。靭帯損傷ではこれが障害されるため筋相互の協調性を高める訓練も必要になります。これは家でできるものをお伝えします。リハビリ中もできているかどうかの確認を行います。

 

 【内反捻挫(内側に捻る)が多い理由

 

 内果(内くるぶし)は外果(外くるぶし)より前にあり、高さも違います(内果の方が高い)。したがって運動する軸は水平ではありません。運動する軸が上記の様にズレるため底屈運動(足首で踏み込む運動)時には生理的な内反が入ります。つまり、底屈の動作をするだけでも足の軸の加減で足首は少し内側へ向きます。内果の方が位置が高いので足首が内側へ向くと不安定になります。この解剖学的な要因が内返しの捻挫が多い理由です。

 

 

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